週4日勤務(週休3日制)とは?目的や実情はどうなのか。
目次・概要
佐川急便、ヤマト運輸、ファミリーマート、ユニクロ、アルペン等一部の有名な企業で導入され始めている週4日勤務(週休3日制)。
2019年4月から徐々に施行が開始された【働き方改革】の一環で、社員にとって働きやすい労働環境へ整備して人材を確保する事や、生産性を向上させる事が目的とされています。
週4日勤務(週休3日制)と聞くと、「休みが増えるなら嬉しい!」と思ってしまいそうですが、単純に良い事ばかりなのでしょうか。
メリットがあれば当然デメリットもある事が殆どですよね。
一体実情はどうなのか。
日本の社会において、今後正社員の週4日勤務(週休3日制)は浸透するのか。
そんな気になる点について調べてみましたので、シェアしたいと思います。
メリットはワークライフバランスの実現、企業イメージ向上。
週4日勤務(週休3日制)にする事によるメリットを調査すると、以下の様な内容が多く見受けられました。
- 仕事と、プライベートのオンオフにメリハリがついた。
- 通勤によるストレスや負担が軽減された。
- 疲れが取れて集中力やモチベーションの維持向上に効果が見られ、結果として生産性が向上した。
- 社員の満足度が上がり、企業のイメージも向上した。
この結果を見ると、社員と企業双方にメリットがあるのが分かるかと思います。
そして、今の日本が抱えている少子高齢化による労働人口の減少という問題や、働き方の多様化に対応する為に必要な「生産性の向上」と「従業員の満足度向上」をうまく実現出来ている取り組みだと言えます。
特に課題となる生産性の向上については、週4日勤務(週休3日制)を試した日本マイクロソフト社によると40%も向上したという興味深い結果が出ています。
参考記事:週休3日制を試したら労働生産性40%向上-FNN PRIME
週休3日どうだった?-NHK NEWS WEB
この記事によると、マイクロソフト社は会議とメールの効率化に焦点を合わせて、会議の時間や参加人数の見直し、オンライン会議機能やチャットツールの活用等により、この様な結果を導き出す事が出来た様です。
また、自身の充実した休みや学びの為に社員達は業務を効率化する努力をする事が分かったとも書かれています。
それぞれの企業が自分達の会社の業務効率について真剣に考えて改善し、週4日勤務(週休3日制)をうまく取り入れる事が出来れば、難しいと言われているワークライフバランスの実現も可能になるのではないでしょうか。
デメリットは、収入減と労働時間増加。
デメリットと感じているのはどんな点なのかというと、以下の様な内容となりました。
- 収入が今より減ってしまう。
- 一日の労働時間が増えてしまう可能性がある。
- 取引先が週休3日制に対応していなければ、連携が取りづらくなる。
週4日勤務(週休3日制)にするという事は、休みが増えるので、一日の労働時間が今までと変わらない場合は、収入が減ってしまいます。
【変形労働時間制】を利用して一日の労働時間を増やし、休みを3日にする場合もあります。
大手ではユニクロや佐川急便がこの制度を取り入れています。
この場合は収入は基本的に減らずに済みますが、長時間働いても残業扱いにならない為、手当が減ってしまう事が考えられます。
メリットの部分で先に挙げた様に、うまく業務時間の短縮を図る事が出来ないと、時間を取るか収入を取るか、といった究極の選択になってしまいかねません。
取引先との連携の問題もあり、なかなか難しい様です。
週休3日制に世間は賛成?反対?休みが増えたらしたい事は?
もし、自分の会社で週4日勤務(週休3日制)が導入されるとしたら?
世間の声は賛成と反対どちらが多いのか、調べた結果は賛成53.6%、反対46.4%と、ほぼ半分に割れてしまいました。
先程のメリットとデメリットの項目でも分かるように、賛成派はプライベートの充実に期待を寄せる一方、反対派は金銭的な問題や仕事への影響を懸念している事が分かります。
続いて、もし休みが増えたら何がしたいか?というアンケートの結果は次の様になっています。
20%の方が「家でゆっくりする」と回答しました。 次に多かったのは「趣味に時間を使う」で17%。週休2日ではできなかったことを始めたり、ゆっくりしたいという回答が多くみられました。 また、「子どもとゆっくり過ごせる」といった意見も多く、共働きも多い昨今、週休3日制になれば家族との時間も増えるのではないかという方も多いようです。
- 1日趣味に没頭したいですね。(やまとさん)
- 資格の勉強を集中してやりたいです。(ぶうさん)
- 平日に行われることも多い学校行事が、週休3日になることで行きやすくなるのは嬉しい。(あやなつさん)
- お金を使わずに子供との時間を過ごして家族サービスしたいです。(みゅーさん)
引用:はたらこねっとHP
一日休みが増えたら、特別な事をするよりは普段時間がなくて出来なかった事をしたい、というのが大まかな希望の様ですね。
生活にゆとりが欲しいと願っているとも言えそうです。
もし私だったら、やはりもっと子供達と遊んだり、趣味の時間を取ったりしたいと思います。
まとめ
週4日勤務(週休3日制)のメリットとデメリットについてまとめます。
メリット
- プライベートの充実
- 業務の効率化による生産性の向上
- 社員の満足度と企業のイメージの向上
デメリット
- 収入が今より減ってしまう。
- 労働時間が増える可能性がある。
- 取引先と連携が取りづらくなる。
今後日本において正社員の週4日勤務(週休3日制)が浸透するかは、難しい所だと思います。
マイクロソフト社の様に明確に改善点を洗い出し対策を取る事が出来れば、企業単体では週4日勤務(週休3日制)を導入する事が可能だと思います。
しかし、日本の企業は一つで成り立っている訳ではなく、沢山の企業と関わり合っているのです。
日本の企業全体に【働き方の多様化】に対する理解が進まないと、浸透するには時間がかかるのではないでしょうか。
それには、先だって週4日勤務(週休3日制)を取り入れた企業が、取引先に広めて行くような動きが必要になってくると考えられます。
自社で実現出来た業務の効率化のノウハウを、取引先にも共有していく事で少しづつ浸透させていく事が出来るか、といった所が今後の課題となってくるでしょう。